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 オープンシステムの家づくり  〜 Image & Plan 〜

058 大工の刻み それとも プレカット?
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「 056 直営方式の見積書 」 つづきの話です。

家づくりにかかるコストの全体を100%とすると、各工事にどれだけコストをかけていくことになるかというと・・・

  仮設建物費・・・・・・・・・・・・・・2.9%
  基礎工事・・・・・・・・・・・・・・・・4.8%
  木工事(材木費込みで)・・・40.2%
  屋根工事・・・・・・・・・・・・・・・・2.6%
  板金工事・・・・・・・・・・・・・・・・0.9%
  外部建具(ドア・サッシ窓)・・4.7%
  内部建具工事・・・・・・・・・・・・2.1%
  左官・タイル工事・・・・・・・・・・5.6%
  内装工事・・・・・・・・・・・・・・・・0.7%
  塗装工事・・・・・・・・・・・・・・・・0.4%
  雑工事・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.3%
  住宅設備機器工事・・・・・・・・5.9%
  電気設備工事・・・・・・・・・・・・4.0%
  給排水衛生設備工事・・・・・・3.7%
  ガス設備工事・・・・・・・・・・・・0.5%
  外溝工事・・・・・・・・・・・・・・・・0.01%
  ストーブ工事・・・・・・・・・・・・・1.1%
  設計管理費・・・・・・・・・・・・・・8.3%
  消費税・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.6%
  予備費・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.7%
  諸経費・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.6%


補足ですが、消費税が5%なはずなのに、4.6%というのは、予備費や必要経費も合わせた家全体の総予算を100%としているためです。

消費税の話のついでに・・・、
例えば、柱一本について・・・。
林業業者さんから柱の材料となる木を山から切り出して、材木屋さんが買う際に消費税が5パーセント。
材木屋さんで製材して、製品としての柱材を大工さんが購入したところで消費税を5パーセント。
そして、それを大工さんが刻み加工をして家に取り付けて建て主が柱の材料と手間代を払い、そこにも消費税が5パーセント。
一つのものに対して、お金を支払うたびに5パーセントの消費税が支払われつづけていくことになります。

それから、家を買う、つくる、建てるということは、不動産を手に入れるということなので、不動産取得税を払うことになります。
同じものに同時期に税金を2度払わなければいけないなんて、 ?????
税の仕組みというのは、つくづくよく出来ているなあ、と思います。



さて、ざっと工事コストを一覧にしてみたのですが、この中に工務店やメーカーに家づくりを頼んだときに払うことになる、会社の儲け分、諸経費(宣伝やモデルハウスなどにかかるもろもろの経費)のお金、というのは一切入っていません。

それが直営方式で家づくりをするねらいであり、コストを抑えた分は実際の作り手である職人さんや、設計士さん、現場監理をしてくださる建築士さん、それから納得のいく材料の購入にまわすようにして、限りある予算を無駄なく使えるようにしたいと考えています。
単純にやすい家をつくるために直営方式にしているわけではないですよ、というわけです。


一覧の中で、木工事(材木費込み)の大きさがあらためてよく分かります。

今回、家づくりをするにあたり、長野県産の杉や桧、唐松などを使っていこう、ということを考えています。
山々に植林された木々をいつでも眺めています。
こうした木を使わないことは、とてももったいないことです。

地元で育てたもの、採れたものを、地元で消費することを地産地省というのだそうですが、メリットがいろいろあると思います。

その一つが気候風土にあったものを使える、ということ。
木は材木となり、家となって形を変えたあとも呼吸をしています。
湿気を吸ったり、吐いたりしているわけです。
(それを助けるための構造として 「 055 暑さ、寒さと上手につきあえる家づくり その2 」 を考えています。)
育った環境と、建材として使われる環境がちがえばちがうほど、材の狂いも大きくなってしまう可能性が出てきてしまうわけです。

それから、
省エネ、ということでも地産地省は優れていると思います。
どういうことかというと、遠方、特に外国の木材を使うということはそれだけ輸送コストもかかるわけです。
昨今、温暖化の問題が大きく取り上げられていますが、この点でもメリットは大きいわけです。

長野県産材を使うことで50万円の補助金がついてくるというおまけもあるので、とてもありがたいことです。



こういった話を打ち合わせでしていると熱が入ってくるのが、材木屋さんです。
どんな材を使おうか、大工はどんな仕事をしていってもらおうか、といろいろとこだわりがあるようです。

例えば、大工の刻み。
材木と材木を繋ぐところを継手(つぎて)、というのですが、その仕口の刻み方が大工の腕の見せ所なので、プレカットはやらずに刻みにしていきたい、と熱っぽく語ってくださいます。


これは、コンピュータ制御で継手をカットしたプレカット材
    


これが、大工の手仕事である刻みで出来た継手
         


気になる価格差はというと、大工の刻みはプレカットの3倍はします。
70万円の差になるのだとか・・・。

それだけの金額の差が、質の差にどれだけ出てくるのか、工場の中もみせてもらったけれどいまいちよく分からない。

この金額差は大きいですよ。
しっかり検討させてもらいます。


(2007.8.5)


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