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015 1+1=2  と  1+1=1
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三寒四温
つい一週間前は、ぽかぽか陽気だったのに、今週末はまた寒さがもどり、今日は朝から冷たい雨、そして午後には雪に変わってしまいました。
あと半月、、4月からはいよいよ育児休暇に入ります。

育児休暇をとる男の人は、私の身の回りにはまだまだ少なく、珍しさのためか遠く近くうわさの種になっているようです。

男が育児休暇をとることについて。

お、いかにも今どき、かっこいい。
というのから、
長い休みがとれるんだ、うらやましいな。
かみさんの尻にしかれやがって。
などといったものまで、人によって捕らえ方、感じ方がだいぶちがうようです。

実は、僕が育児休暇をとれるものならとってみたいと考えるようになったのは、今から約15年前の20歳の頃からでした。
もちろん、結婚相手もいないし、ましてや自分が子どもを持つなんてまだまだ考えられなかった頃のことなのに、育児休暇はとってみたいものだと考えていました。

なぜか。

なぜかの話をする前に、お決まりの話題になりますが、日本の出生率は年々下がりつづけています。
30歳までに子どもを持つ人の数も、年々下がりつづけているそうです。

日本は、国土の広さに対して人口が多すぎるように感じているので、人口が減っていくことは一概に悪いとも言えないと思うのですが、出生率の低下について。

なぜ低下しているのか。

多くの人が子どもが嫌いなのかといえば、そうではないでしょう。
子どもを生み育てる環境が厳しいからではないでしょうか。
仕事をつづけたいけれど、子どもができると多くの女性は仕事をやめざるおえない人は多い。
また、子どものことばかりでなく、結婚生活も大変さのイメージが強く、それがために晩婚化の傾向になっているように感じます。
結婚して、家事育児がほぼ女性に任されて、子どもにお金はかかり、自分の自由になるお金は独身の頃に比べてずいぶん減ってしまう。
結婚して何かいいことあるんだろうか。
漠然とだけど、そう考えている方も多いのではないでしょうか。

本当に結婚生活は大変なのだろうか。

うん、大変だ(実感)。
独身の時は、流しがいっぱいになってから茶碗を洗い、洗濯物は一週間分ためて週末洗ってたな。
連休があると、来るまでけっこう遠くまでふらっと旅にでたり、好きな映画を月に1〜2度は見たり・・・。
かなり気楽な生活でした。

そんな気楽で、荒れ放題な生活は、結婚したらおさらばだ。

子どもたちは、棚から本は全部出すは、箱からおもちゃをすべて出しつくすは、狭いアパートの部屋は足の踏み場もないくらいになってしまう。
その片づけを一日何回することか。
洗濯も、ご飯をこぼしたり、味噌汁こぼしたり、汚れまくりの子どもたちの服が山のようになってしまう。

家庭を持つということは、とにかく独身の頃に比べてやることが多くなって、いそがしいのだ。大変なのだ。

この大変だという発想は、たとえば 1+1=2 の式で表せると思うのです。

1+1=2

「博士の愛した数式」なんぞ見てきたから、まねをし出したか、と思う方もいるかもしれませんが、残念でした。映画を見る前から考えていたことです。

この、1+1 の正体は、自分と結婚相手のことです。
答えの 2 の意味は、しなければいけないこと、平たく言えば、大変さを表します。

例えば、2人の暮らしが始まって、洗濯物が2倍になって、一人で適当にすませていた食事が2人分しっかり作るようになって、食費も2倍、洗い物も2倍・・・。

1+1 が 2 になるのは当たり前だ、とみなさん思うでしょ。
でも、その中身が問題なのです。
2=0.5+1.5 にもなるし、0.2+1.8 にもなります。
つまり、片方の負担が結婚することで、独身の頃に比べて、はるかに大きくなってしまうこともあるのです。
思い当たることあるでしょ。

これは、家のことだけではなく、働く条件でもいえることかもしれません。
少子化、晩婚化の理由は、こんなところにもありそうです。

でも、この 1+1、 考えようによっては、1+1=1 になることはないでしょうか。
発想の問題だと思うのだけれど、例えば、アパート代。
たった一人で暮らしても5万円。
二人が働いていれば、ひとり分の負担は2万5千円。

これは、しっかり 1+1=1 になります。
この発想って、かなりうれしい気分にさせてくれるのは僕だけでしょうか。
実際に 1+1=2 なんだから、残りの1は、家賃ではなくちがうところで使うことができる。

お金のことで説明しましたが、こういう発想は他のところでも応用がきくと思います。
たとえば、家事の分担。
洗濯、お掃除は二人でちゃっちゃかすませ、あとはのんびりお散歩や好きなことのための時間がつくれると考えたら、そりゃもう、一人よりよっぽどいいではないですか。

なぜ育児休暇をとろうと思ったか。
理由は、子育ても二人、という発想がもとなのです。


(2006.3.13)


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