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 オープンシステムの家づくり  〜 Construction 〜

082 家の経歴を生かせないものかと・・・
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家づくりを誰に頼むか。
これは、設計段階から完成までの長い時間を共にしてくださる方に家づくりをお任せする方を選ぶことであり、悩んでも悩みすぎということはないと思う。
また、家づくりを終えたあとも先の長い人生を過ごす家なのだ。
価値観、考え方、感性が同じ(あるいは近い)人を捜し当てるということは、何にもまして大事なことではないか。

出会うための努力は惜しまないが、出会いこそ運のようなものでもあり、いい縁に巡りあえるまであせらないことが何よりだと思う。
(今になってみれば・・・だが。)

我が家はいい縁にめぐり合え、今では家の完成を待つばかりとなったが、それもこれも家づくりに係わってくださる方々を紹介してくださった材木屋さんのSさん、頭の中にあふれ出てくるイメージを根気よく聞いてくださり図面に描いてくださった片山設計士さん、それからオープンシステムの家づくりを力強くサポートしてくださった柳澤建築士さんがいてくださったからこそだと思っている。


さて、そんな頼もしい設計士さん、建築士さん、それから多くの職人さんたちとの出会いの中で家づくりが始まったわけだが、初めて挑戦するオープンシステムの家づくりをするにあたり (家づくり自体初めてのことだが) 、第三者の方に瑕疵保証をお願いすることにした。 ( 062 瑕疵保証をお願いすることに )

それは、思ったより低予算で4回の検査と、その後10年間の保証をしてもらえるということ、客観的な目から見ていただき工事の点検をしていただきたいと考えてのことだった。

瑕疵保証の対象は、仕上げなど表面的なことではなく、 「基礎の配筋検査」 「構造検査」  「防水工事検査」 「完成検査」 といった家の基本性能に係わるものである。
まさに、家が建ってからの安心を保証してもらうわけだ。


              
                                    2007.11.30

写真は、構造の検査をしてくだっさっている瑕疵保証会社のNさん。
図面上と実際とを照合しながら、点検箇所を一箇所ずつ確実に見て回ってくださっているところ。

そのNさん。
車知栓 を見て、やはり感激してくださっていた。
森澤さん、中村さん、両大工さんの仕事の素晴らしさを随分褒めてくださり、施主としてとてもうれしい思いをさせてもらった。


ところで、家づくりをするようになって気がついたことがある。
それは、新築の家の資産価値というのが、築後10年ほどで限りなくなくなってしまう、ということだ。

家をつくるためには資金が必要なわけで、自己資金がいくらかあるといえども満額それでまかなえるはずはなく、銀行から住宅ローンのお世話になる。
その住宅ローンというのは、たいがい長期で組むことになり、借金の全額返済というのは20年後、30年後ということになる。
資産価値の目減りに対して、借金のみ高くつくというのは、釣り合いがとれないではないか、と思うのだ。
銀行にしても資産価値のなくなったものに、何十年も抵当権をかけておかなければいけないのでリスクは大きいではないか。
(だから、高い保証費だって払わなければいけないのだ。)

これは何か変だ。おかしい。

検査をしてもらったあと、Nさんと設計士の片山さんとコーヒーを飲みながらそんな話をしたら首をかしげていた。

確かに、風雨にさらされ、住んで使っているうちに家は傷むものではあるが、車知栓のような職人さんの確かな技術でつくられたものに対しては、新しいとか、古いとか (ボロくなってしまうとか) といったものとはちがう、別の次元の価値というものを見出していっていいのではないかと (我が家だからというのではなく) 思うのだ。

今回お願いした瑕疵保証は、10年後までを保証してもらうものだが、その後さらに保証の延長をしてもらいたい場合は、検査とコーキングなどの補修工事をしたあとで10年分再保証をしてもらえるのだという。

ということは、保証会社さんで新築工事、補修工事の経歴をしっかり残しておいてもらうことにもなるので、それがそのまま 「しっかりしたつくりをしている家ですよ」 という保証にもなるのではないか。
そして、それが今ほど資産価値が落ちてしまわないような仕組みへと発展していってくれたらこんなにいいことはない。
そろそろ、法律で瑕疵保証を義務化するというのだから、そういったことも合わせて考えていかなければ意味がないではないかと思うのだ。

古くなってもしっかりつくられたもの、手入れをされたものへの価値を高めるものになれば、家の持ち主にとっても、職人さんにとっても大きな張り合いになるだろうし、街自体ももっと変わっていく可能性がそこにはあるのではないだろうかと、思うのです。

(2008.2.11)


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