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 オープンシステムの家づくり  〜 Image & Plan 〜

048 家づくりのレシピ
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047 設計事務所に頼む、ということについて」 の続きです。

設計事務所に頼む、ということは自分たちのつくりたい家のイメージを具体化してもらう、言ってみれば家づくり全体を建て主に代わって統括するプロデューサーになってもらうことだ、といったことを前回は書き込みました。

設計事務所に家づくりを頼む、ということは自分たちが建てる家づくりにどのような希望を持っているか、という洗い出しをすることでもあるわけですが、考えなければならないことはとても多くなってきます。
(その多くを専門家としての設計士さんにアドバイスを求めていくことになりますが。)

これから長い時間を設計士さんとお付き合いしていくうえで、どのような手順で家づくりを進めていいただくのか確認しておきたいと思います。


1.家が建つ敷地を知るために・・・測量、敷地調査

敷地を測ったり、その地域の規制等を調べてもらったりします。


2.プラン案での希望の整理・・・基本計画

現在の我が家は、この段階にいます。
ああしたい、こうしたいという我が家の希望をお伝えして、それをたたき台にしながらかなえられそうな希望、無理そうな希望と整理し、完成目標を建て主と設計士さんとで共有していきます。
ポイントは、今の生活を土台にしながら新しい家でどんな生活をしたいと考えているのか、できるだけ具体的な言葉にしていくことだと思います。

「ご希望にそったプランが出来上がるまで何度も作成・検討します。」
とは、我が家をつくっていただくことになった設計事務所さんのHPの中の言葉。

  (1) 配置図平面図
  (2) 断面図あるいは立面図(1〜2面)


3.具体的な内容へ・・・基本設計

希望条件が整理できてきたら、次にそれを具体的なプラン置き換えていき、予算と相談する段階になっていきます。
基礎や骨組みの造り方を検討し、窓の形や位置、照明器具や電気設備、冷暖房設備や換気設備、給排水衛星器具の数や位置も確認していきます。
これにより、具体的な建設費用の目安が概算書としてはっきり見えてくるようになります。

この段階で、予算を含めて具合のよくないところはないか、当初考えていた希望条件がかなえられているかをチェックし、満足できなければ再度調整します。

  (3) 仕様概要表
  (4) 仕上表
  (5) 配置図(1階平面図と兼ねる場合もあります)
  (6) 平面図(各階)
  (7) 断面図・立面図(各面)
  (8) 設備位置図(電気・水道・ガス・換気空調設備等)
  (9) 工事費概算書


4.希望通りの工事のために・・・実施設計

基本設計に納得できたら、次は実施設計の段階になります。
工事会社が設計内容通りに正確に見積もり、設計通りに工事ができるよう細部を詰めていく作業になります。
実際の出来上がりを詳しく図面に書き表して、デザインや使い勝手を細かくチェックします。部屋ごとの窓や扉の位置や形も決めていきます。
基礎から屋根裏に至るまでどのように骨組みを造り、断熱材や気密部材をいれ、仕上げ材をどんなにするのか、各部分部分の納まりを検討して図面化してもらいます。

  (10) 特記仕様書
  (11)  仕様概要表
  (12)  仕上表
  (13)  面積表・敷地案内図
  (14)  配置図(1階平面図と兼ねる場合もあります)
  (15)  平面図(各階)
  (16)  断面図・立面図(各面)
  (17)  矩計図
  (18)  基礎伏図・床伏図(各階)・小屋伏図
  (19)  天井伏図
  (20)  展開図
  (21)  建具表
  (22)  設備位置図(電気・水道・ガス・換気空調設備等)
  (23)  工事費概算書
  (24)  確認申請図書


5.役所へ確認申請書の提出(代行)

基準法にあった家かどうか、役所等へ審査してもらいます。


6.工事の始まり・・・工事監理

許可が下り次第、工事着工となります。
設計図に描いた思い通りの家が出来上がるためには、実際の工事がすすんでいく中でいろいろなチェックをしていかなければなりません。
この仕事を建て主の代理として設計士さんに行ってもらうのが、工事監理の仕事です。

もちろん、建て主の希望を設計を通して正確に工事関係者に伝えてもらい、見積りをとり、建て主が工事会社を選ぶときのアドバイスもしてもらいます。


7.竣工

設計士さんに検査をしてもらったあと、役所に工事完了届けを提出し、役所の竣工検査を受けて検査済票をもらいます。

これで完成。


設計図面の多さに驚かされますが、設計の段階でしっかり時間をかけ、構想を十分に練っておかなければ、あとあと不安の種が生まれてしまうし、お金の面でも、出来上がりの上でもこんなはずではなかった、ということになりかねないでしょう。

以前、家づくりを頼む方を探しているときに、ある大工さんにお会いしたことがありました。
その時の説明では、建て主の希望から平面図,、断面図あるいは立面図を書き起こしたところで各職人に見積りを出してもらい、確認申請図書一式をそろえて役所へ確認申請をして、それが通れば工事に入れます、というものでした。
最初は、設計料が安くすめばいいのかな、と半信半疑で聞いていたのですが、考えてみれば2〜3枚の図面だけでどんな家が出来上がるのか細かなことがはっきりしないまま工事に入ってしまうことになります。
そうすれば工事の内容、手順は全て職人さん任せになってしまうことになり、出来上がりも思っていたのとは違い、かかったお金も後々大きく違ってきてしまった、ということになってしまいます。
昔聞いたことのある、お金持ちの旦那が職人と建てる家ならいざ知らず、限られた予算をできるだけ有効に使い、いい家を建てたい、と考えている我が家には、この方法はどう考えても無理があります。
そこで、早々にお断りをした、ということがありました。

初めてつくる料理も家づくりも似たようなものでしょう。
レシピを読んで、材料は何がどれだけ必要で、ないものは買いだしに行き、つくる手順はどうなっているか確認してから料理をはじめるでしょう?
つくっている最中にあれがない、これがないなんていっていれば、手間も時間も、場合によってはお金もロスが出てしまいます。

家の設計は、希望条件がしっかり表れるように、ということはもちろんですが、時間も手間も材料もお金も無駄なく使っていかれるためのレシピづくりなのではないでしょうか。


(2007.3.14)


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