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 オープンシステムの家づくり  〜 Image & Plan 〜

027 丈夫な家を建てるために 〜基礎〜
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基礎部分のつくりについては、大工さんとの打ち合わせの中で相談していくことになりますが、今の時点で覚えておきたいことを書き出しておきます。


まず、家の基礎として一般的なものは、コンクリートづくりの布基礎、ベタ基礎というものがあります。

   



それぞれの基礎に一長一短があるようですが、基礎の部分に求める性能、というのはどのようなものがあるのでしょうか。

その1
家をしっかり支えられる、地盤に合ったつくりをしていること。
地盤の沈下によって建物が沈んで壊れてしまうことがなく、地震に強いということ。

その2
長い年月の中で、家を白蟻に食われたり、土台をはじめ木組みを腐らせたりしてしまうことがないよう、生き物の害に強い構造であること。

大きく上げると以上のようなことになると思います。



まず1について

地盤については、購入した土地にたっていた築30年以上している古家屋を見てみると、壁面にひび割れが見られず、土台、梁の狂いもなかったので、とてもしっかりした地盤ということが分かり、改良の必要はないようです。

布基礎とベタ基礎、どちらが強いかというとベタ基礎なのですが、それではベタ基礎を、ということには簡単にはならないようです。

家の下全面に施工されるのがベタ基礎なので、建物全体の重みは基礎の対面責で受けるので、全体で受けた方が単位面積当たりの負荷は少なくてすみます。
また、地盤が少々ゆるい時は、重さを全体的に受けるベタ基礎のほうがよい場合もあります。
しかし、地盤がかなりゆるいときは、コンクリート自体の重みがだいぶあるので、不等沈下が起こり、家が傾いてしまう、ということもあります。

柱や壁の位置に合わせて入れる場合は布基礎が普通なのですが、地盤によって杭が多くなり、建物全体で重みを受けるのはベタ基礎がいいようです。

ただ、熱容量の大きな(冷めにくく、温まりにくく)コンクリートで全面をおおってしまうベタ基礎は、冬は冷え込みが布基礎に比べきついようです。

今回購入した土地には、どちらがあっているのでしょうか。
職人さんたちと要相談ですね。



その2については、話がもうちょっと複雑です。

木造住宅が老朽化する原因には、腐朽と蟻害があります。
木が腐るのは、腐朽菌によって木の成分が分解されてしまうためです。
腐朽菌は、キノコやカビの仲間で、褐色腐朽菌、白色腐朽菌、軟腐朽菌があり、木の成分であるセルロース、へミセルロース、リグニンを分解します。

一方、シロアリによる蟻害は、主にヤマトシロアリとイエシロアリによるものです。
(長野県では、ヤマトシロアリかな。)
シロアリも腐朽菌同様、水気のあるところを好むので、どちらも同じ箇所が被害にあいやすくなります。

木が腐る条件というのは、つまり腐朽菌とシロアリが活動できる条件ということになるのです。
では、その条件というのは、

@栄養分、木があること
A水があること
B空気(酸素)があること
C適度な温度であること

の4つです。
Aの水があること、じめじめと湿気ることが、腐朽菌とシロアリを暮らしやすくしてしまう原因になるので、要注意なのです。
Cの適度な温度ですが、これは20度から40度、人が快適に暮らしやすい条件は、腐朽菌やシロアリにとっても同じなのです。


では、以上の条件が分かったところで、木を腐りにくくするにはどうしたらいいかというと、最大の課題はいかに水を遠ざけるか、ということになります。

そうすると、基礎部分のつくりとして有効なのは、地盤からの湿気が上がりにくいベタ基礎、ということになるかと思いますが、生活の中から漏れ出した水気、台所や風呂場、洗面所の下に水が滲みだしたりした場合には、その水気は抜けにくくなってしまうじゃないか、という心配も持ち上がってきてしまう。
入りにくいものは、逆に出にくい、というのは当たり前のことですね。

これについては基礎のコンクリート床に排水口を設けるといいようです。
設置の方法として、

@各部屋ごとに一ヶ所
A直径150mm以上の穴
B防水シートを敷いた場合は、その部分を取り除いておく
Cモグラが心配な場合は、ステンレスの網をとりつける


それから通風を確保するために、ねこ土台を設けることと、雨水が吹き込まないように水切りをつけること、それから床下通気孔を考えておきたい。
通気孔を設けるために、基礎の上端部をきりかいてしまったのでは、鉄筋も切ってしまうことになり、基礎を弱めてしまうことになってしまう。

ここらのことについても、経験のある職人さんたちと相談ですね。

では、また。


(2006.11.29)


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