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小樽観光なんて無理、なんて思っていたのがうれしいまちがえで、明るくなるのを待ってゆっくり小樽見物をすることができてしまいました。
フェリーから開放された体を、息子も思いっきり動かすことができます。
小樽は、アイヌ語で「砂浜の中の川」を表す「オタルナイ」に由来しているのだとか。
水の景色の似合う街です。
運河沿いの倉庫跡は、レストランになっていたり、雑貨屋になっていたりするところもあり、眺めていてあきません。
運河沿いの遊歩道をのんびり散歩といきます。
息子は、運河に泳ぐ魚を見つけるのに夢中。
運河沿いに立ち並ぶのは木造石造りの倉庫。
重厚ですね。
明治13年に小樽と札幌との間に開通した、日本で三番目の鉄道が手宮線なのだとか。
東京、大阪の次だというから、往時の賑わいが想像できます。
北海道の内陸部で掘られた石炭は、この線路を通り、小樽港から全国に運ばれたといいます。
廃線の跡地で線路を駆け回れるとあって、息子は大はしゃぎ。
フェリーでの運動不足を小樽で解消し、息子が力尽きてベビーカーの中で昼寝した頃、いよいよ帯広に向けて出発します。
北海道の空はのびやかに広がっていきます。
北海道は広い。
なにより景色がおおらか。
なだらかな起伏に富んだ丘陵の中を、走り抜けていきます。
国道274号線。
日高山脈は雨でした。
日高峠、そして日勝峠。
原生林に囲まれた峠道を走り抜ければ、十勝の広大な平野が待っています。
小樽の街で眠り始めた息子は、夕方になってもまだ眠っています。
雨の中、帯広に向かってひたすら走りつづけます。
小学校のころに習った速さと、時間と、距離の関係を表す公式って、感覚的にもあっているものだと、ふと思いました。
羽田から飛行機で千歳空港に降り立ったときと、今回の船と車の旅とでは距離感が大違いです。
距離 = 速さ × 時間
時間がかかるほどに、遠くに来た、っていう感じがしてきます。
8月29日の早朝5時に、長野県上田市のアパートを出発して、帯広のユースホステルに着いたのは30日の夜9時。
40時間、1250キロを旅して、目的地帯広にようやく到着することができました。
さあ、明日からいよいよラリー観戦の始まりです。
3時半には起きて、4時には出発しないとです。
おっと、寝る前に息子をお風呂に入れないと。
朝起きて、すぐに車に乗り込めるよう、息子の着がえを用意しておかないと。
まだまだ、一日は終わらないのでした。
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