今どきの階段というのは、集成材の工場製品を大工さんが現場で組み立てるものと考えていたら、第三木材のSさんは、無垢の木にこだわりぬいてくださった。
洗面所のカウンターと階段に使う木を見つけてきたので見に来ないか、という声をかけていただいて製材所まで行ってみて驚いた。
巨大なサワラの一枚板が2つ、でーんと横たわっているのだ。
樹齢100年以上だという。
浅間山麓から切り出されてきたものだということで、100パーセント長野県産材。
サワラは、お風呂の木桶にも使われ、水に強い木なのだ。
2008.01.12
2008.01.12
そして、階段にと探し出してくださったのはアカマツの板。
これも県産材。
白い木肌が美しい木だ。
出来るだけ「地産地消」にこだわりたい、というのも今回の家造りの大事なテーマである。
Sさんのご苦労が、本当にありがたい。
そして、それから半月後の1月下旬。
中村大工さんによる手刻みの階段造りがはじまった。
2008.01.30
今では、プレカットによる工場加工が主流になり、階段をつくることの出来る大工さんも少なくなってきたということを聞いた。
2008.01.30
中村さんも大工の修行時代、何人かの大工さんのところへ下働きに出て、いろんな業を見て覚えたのだという。
一人の師匠だけでなく、いろんな大工の仕事のやり方を見ることが大事だと話されていた。
一つのものを作るのでも、作り手によって方法はいろいろある。
そうした多様な業を覚えることで、生涯にわたって大工の技術として生かしていかれるものになるのだという。
2008.02.17
階段裏は、踏み板が栓でしっかり締められていた。
2008.02.17
仕事を終えて、夜中に家に入ってみると、階段は美しく仕上がっていました。